2011年9月9日金曜日

福島第1原発:古里追われた人、残った人の苦悩と不安・・・毎日.jp

福島第1原発:古里追われた人、残った人の苦悩と不安 - 毎日jp(毎日新聞)
東日本大震災に加え、東京電力福島第1原発事故に見舞われた福島県。第1原発が立地する大熊町や双葉町は全町避難を余儀なくされた。事故からもうすぐ半年。古里を奪われた人々の望郷の思いは募る。

 ◇全町避難の大熊・双葉--慣れぬ土地で半年
 背丈ほどの雑草に覆われた庭。倒れた家具。食器が散乱したキッチン--。「これが本当に俺の家なのか……」。今月1日の一時帰宅で半年ぶりに戻った我が家は、変わり果てていた。

 大熊町夫沢の佐藤洋一さん(62)の自宅は、第1原発の南2.5キロにある。妻道子さん(62)と73年に結婚。富岡町から道子さんの故郷に移り住んだ。


単身赴任の佐藤洋道さん(手前)が帰ってくると子供たちは父親の背中を我先にと争うようによじ登る=福島県喜多方市で2011年9月4日、須賀川理撮影
 89年に運送と産業廃棄物処理の会社を設立し、自宅も建てた。長男洋道さん(37)ら3人の子も会社を手伝ってくれるようになり、徐々に仕事の規模が拡大した。97年には約3億円を投じ、自宅近くに産廃処理用焼却炉も造った。「家族みんな、いつも一緒でね。そりゃあ幸せでしたよ」

 穏やかな暮らしを、原発事故が一瞬にして奪った。一家は隣の田村市や新潟県新発田市など5カ所の避難所を転々とした後、洋一さんと道子さんらは喜多方市内のアパートに身を寄せた。長女とみえさん(28)は新潟市に移った。「賠償はいらないから震災前の生活に戻して」。離散した家族を案じ、道子さんは涙に暮れる。

 8月27日。福島県を訪れた菅直人前首相が、原発周辺には長期間戻れない可能性に言及した。「国のトップに言われると、ずしーんときたね」。洋一さんの絶望感は深まった。



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